勤務医はインデックス投資と不動産投資、どちらを選ぶべきか

私が資産形成を始めたのは46歳の時でした。

ある程度の貯金はありましたが、その中には生活を守るためのお金も含まれていて、全額を投資に回せるわけではありませんでした。同じような状況の勤務医の先生は、少なくないのではないかと思います。

いろいろと調べる中で、私はアパート投資に強い興味を持つようになりました。

ただ、当時は一棟不動産を選べるほどの自己資金も知識もありませんでした。

そこで、インデックス投資とトランクルーム投資をほぼ同時に始めました。その後、資金と経験が増えたところで、一棟不動産へ進みました。

両方を経験して感じるのは、インデックス投資と不動産投資は、利回りだけでは比べられないということです。

お金の増え方だけでなく、始めるまでの準備や、続ける間に背負う負担がかなり違うからです。

46歳の私が、二つの投資を同時に始めた理由

当時の私にとって、一棟アパートはまだ遠い存在でした。

物件の良し悪しを判断する知識がなく、手元にあった貯金も、そのまま頭金として使えるお金ではなかったからです。

まず取り組んだのは、iDeCoと当時のつみたてNISAを使ったインデックス投資でした。

少額から積み立てられ、手元のお金を一度に大きく減らさずに済みます。この始めやすさが、当時の私には合っていました。

iDeCoには節税効果があります。

また、私の年齢を考えれば、原則として60歳まで引き出せないことも、大きなデメリットにはならないだろうと考えました。

同じ頃、管理を委託でき、運営を比較的イメージしやすかったトランクルーム投資にも取り組みました。

節税効果を考えて、築古戸建投資も検討しました。

しかし、購入後に誰へリフォームを頼み、どのように入居者を募集するのか、具体的に想像できませんでした。

そのため、当時は見送ることにしました。

不動産だからトランクルームを選んだというより、その時点の自分に理解できるものから始めた、というのが実感に近いと思います。

最初から、インデックス投資か不動産投資か、どちらか一つに決めたわけではありません。

少額の積み立てを続けながら、不動産の運営も小さく経験してみる。

私の資産形成は、そこから始まりました。

積立設定で進む投資と、買うまでに時間がかかる投資

インデックス投資で行ったのは、口座を開設して積立設定をすることが中心でした。

一度設定した後は、日常的に手を動かすことはほとんどありません。

一方、不動産投資では、信頼できる業者を探すことに最も時間を使いました。

これはトランクルームでも、その後に検討した一棟アパートでも同じです。

提案された物件は現地へ見に行き、どの程度の手残りが期待できるのかを、自分なりに概算しました。

収支の計算方法も書籍で一通り学びましたが、購入前から正確な数字を作れたわけではありません。

実際の運営は、計算どおりには進まないだろうと思い、常に余裕を持って見るようにしていました。

融資審査のための資料をそろえる作業にも手間がかかりました。

審査後、一定の自己資金を入れる必要があると分かったときには、決断するまでに精神的な負荷を感じたことも覚えています。

購入後は、日常的に行うことがそれほど多いわけではありません。

それでも、修繕や退去などが起きれば、所有者として判断しなくてはならない場面が出てきます。

積立設定をした後は基本的に保有を続けるインデックス投資。

購入前には物件調査や融資があり、購入後にも判断する場面が残る不動産投資。

この違いは、両方に取り組んでみて初めて分かったことでした。

私には「貯金」と「給与」に近い感覚だった

私にとってインデックス投資は、「投資」というよりも「貯金」に近い感覚があります。

積み立てた後の手間は少ない一方で、相場が下がれば評価額も大きく減ります。

そのようなときは、「今は安く買える仕込みどき」と考えるようにしています。

それでも、評価額が下がっていくのを見るのは、正直あまり気持ちのよいものではありません。

不動産のキャッシュフローは、それとは違います。

定期的に入金があるため、私には給与の入金に近く感じられます。

修繕や退去があるたびに少しがっかりすることもあります。

ただ、保有する物件の規模が大きくなるにつれて、以前ほど一つひとつの出来事を気にしなくなってきました。

税金も含めて収支を見ると、一棟アパート投資では、想定していた以上に手元資金が積み上がった実感があります。

やはり、手元の現金が厚くなる安心感は大きいと思います。

もちろん、どちらも持っているだけで安心できるものではありません。

不動産では修繕や退去が起こります。

インデックス投資では、相場が下がることがあります。

ただ、私の場合は、毎日評価額が表示されるインデックス投資の方が、値下がりを強く意識しやすいと感じました。

株価は毎日表示されますが、不動産価格はいつも目に見えるわけではありません。

この見え方の違いも、自分が感じる負担に影響しているように思います。

今の私なら、商品より先に使える手元資金を見る

今の私なら、インデックス投資か不動産投資かを考える前に、生活防衛資金を除いて、実際にいくら使えるのかを確認します。

貯金額が多く見えても、そのすべてを投資に回せるわけではありません。

今後の生活費や教育費、急な出費に備えるお金を残したうえで、どの程度の資金を使えるのかを考える必要があります。

46歳当時の私にも貯金はありましたが、生活を守るためのお金まで投資に回すわけにはいきませんでした。

一棟不動産を買うには、使える自己資金も知識も、まだ足りなかったと思います。

そこで私は、インデックス投資やトランクルームの運営を続けながら、少しずつ資金と経験を増やしました。

ある程度たまった段階で、保有していた資産の一部を売却し、その資金を一棟不動産へ移しました。

振り返ると、インデックス投資と不動産投資のどちらか一方を選んだというより、資金と経験に合わせて順番を変えてきたのだと思います。

現在は、不動産を買い進める段階にあり、インデックス投資はiDeCoのみを続けています。

目標は、不動産から得られるキャッシュフローが、生活費を上回る状態を作ることです。

その後は、キャッシュフローの一部を再びインデックス投資へ回し、余裕資金を現金と全世界株式に1対1で積み上げていく予定です。

今はこの形を選んでいます。

ただ、勤務医だから不動産投資、手元資金が少ないからインデックス投資、と単純に決められるものではないと感じています。

私も最初から答えを持っていたわけではありません。

46歳のときに、自分が理解できる方法から始めました。

そして、資金と経験が増えるたびに、資産の持ち方を選び直してきました。

その時点で使えるお金と、自分に引き受けられる負担を考えながら、一つずつ選んできたのです。

今振り返ると、どちらが正解だったかというより、その時の自分にできる方法から始めたことが、次の選択につながったのだと思います。

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