最初の投資先を探していた頃、私はトランクルーム投資と築古戸建投資の間で迷いました。
築古戸建は書籍やネットで調べたものの、購入後に誰へリフォームを頼み、どう入居者を募集するのか、具体的なイメージを持てませんでした。不動産会社に問い合わせても、初心者だったためか、十分に相談に乗ってもらえないと感じました。
一方、トランクルームの会社は質問に丁寧に答え、購入後の管理や募集も任せられると分かりました。そこで初めて、まとまった金額を投資する決断ができました。
投資には、インデックス投資、個別株、短期トレード、不動産投資など多くの選択肢があります。それぞれに成功者がいるからこそ、調べるほど何を選べばよいのか分からなくなることもあります。
私自身、勤務医として当直や本業を続けながら投資先を探し、実際に始めたものや途中で撤退したものがあります。この記事では、その経験から整理した5つの判断基準をお伝えします。
利回りだけでは決められない
投資を選ぶとき、まず気になるのは利回りです。私も「早くお金持ちになりたい」という気持ちから、短期トレードに時間をかけて取り組みました。
しかし、確認すべきなのは期待できる利益だけではありません。本業が忙しい勤務医は、少なくとも次の5つを考える必要があります。
- どれだけ時間がかかるか
- 自分にも再現できるか
- 必要なときに現金化できるか
- 自己資金や借入と相性がよいか
- 精神的な負担なく続けられるか
自分に合う投資は、一度決めれば終わりではありません。自己資金や仕事の忙しさ、経験が変われば、適した方法も変わります。
判断基準1:本業と両立できる時間か
短期トレードでは、相場や売買手法をかなり勉強しました。しかし、技術を身につけ、維持するには相当な学習時間が必要でした。
相場が動いている間は、仕事中でも値動きが気になることがあります。私には、本業と両立しながら続ける負荷が大きすぎると感じました。
一方、インデックス投資は、投資先を決めた後の主な判断は「毎月いくら入金するか」です。短期トレードと比べると、日々使う時間はごくわずかでした。
どちらが優れているという話ではありません。
重要なのは、その投資に毎週何時間使う必要があり、その時間を今の生活から無理なく確保できるかです。
判断基準2:自分が無理なく再現できるか
私が今、投資判断で最も重視しているのは再現性です。
ただし、「その方法で利益を出している人がいる」という意味ではありません。自分自身が、同じ判断を繰り返せるかという意味です。
短期トレードはかなり学習しましたが、結果はほぼトントンでした。技術をさらに磨けば、勝てる可能性はあったかもしれません。
しかし、本業との両立による時間的、精神的な負担が大きく、学習量に見合う成果を得られていないと判断し、撤退しました。
これも一つの損切りだと考えています。
損失を小さく抑え、うまくいかない方法に執着しない考え方は、投資以外の場面でも役立っています。
再現性を考えるときは、利益を出せる可能性だけではなく、本業や家庭生活を保ちながら続けられるかまで確認する必要があります。
判断基準3:必要なときに現金へ戻せるか
投資は、どのように増えるかだけでなく、どのように終えるかも重要です。
私は一棟アパート投資に資金を集中させるため、インデックス投資を現金化しました。
市場価格で売却できるインデックス投資に対し、不動産は買い手が見つかるまで時間がかかります。希望する時期や価格で、必ず売却できるとは限りません。
トランクルームも、自己資金が増え、一棟アパートへ移行する段階で売却しました。購入時から付き合っていた会社が売却まで対応してくれ、最終的には利益も残りました。
投資先を選ぶ前に、その資金をいつまで使わなくてよいのかを考えておく必要があります。
数年以内に使う可能性のある資金を、すぐに現金化できない投資へ回すと、次の投資機会が来ても動けなくなる可能性があります。
判断基準4:自己資金と借入に無理がないか
投資方法は、現在の自己資金によっても変わります。
私が投資を始めた頃は、一棟アパートを購入できるほどの自己資金はありませんでした。
そのため、当時の自己資金でも実行でき、購入後の管理も任せられるトランクルームを選びました。その後、資金が増えた段階でトランクルームを売却し、一棟アパート投資へ移行しています。
一棟アパートでは借入も使うため、表面利回りだけでは判断できません。
空室や修繕が発生しても返済を続けられるか、購入後も十分な現金を残せるか、税引後にどれだけ手元に残るかまで確認する必要があります。
私の場合は、減価償却と給与所得との関係も判断材料にしています。
ただし、節税効果だけで投資先を決めているわけではありません。物件そのものに収益性があることを前提に、自分の所得や資金状況との相性を確認しています。
判断基準5:心理的負担と「誰と組むか」
投資の負担は、損益や値動きだけではありません。
相談相手を信頼できるか、管理を任せられるかも、長く続けるうえでは大切です。
私が築古戸建投資に踏み込めなかった理由の一つは、実行するイメージを持てなかったことです。リフォームや入居付けについて相談できる相手が見つからず、不動産会社とのやり取りにも安心感を持てませんでした。
一方、トランクルームの会社は、購入前から管理、利用者募集、最後の売却まで誠実に対応してくれました。結果として利益も残り、当時の選択は間違っていなかったと思っています。
振り返ると、私は投資商品そのものだけでなく、相手の人柄や対応をかなり重視しています。
すべてを自分で管理できない投資では、誰と組むかによって心理的な負担も結果も変わります。
高い利回りを示されても、質問への回答が曖昧だったり、契約を急がせたりする相手とは、無理に進めない方がよいでしょう。
経験とともに変わってきた私の投資判断
私も最初から、自分に合う投資が分かっていたわけではありません。
自己資金が少ない時期には、トランクルームとインデックス投資から始めました。
その後、「早く資産を増やしたい」と考え、短期トレードにも取り組みました。しかし、負担の大きさに対して成果が見合わないと判断し、撤退しました。
自己資金が増えてからは、トランクルームとインデックス投資を現金化し、一棟アパートへ資金を集中させています。
現在の私にとっては、一棟アパート投資が比較的再現性の高い方法だと考えています。
ただし、これが将来も変わらないとは思っていません。
年齢や自己資金、融資環境、仕事の状況が変われば、再びインデックス投資の比率を増やす可能性もあります。
投資判断は、一度決めた正解を守り続けることではなく、その時点の自分に合わせて更新していくものだと思います。
投資を選ぶ前に、今日確認したい3つのこと
投資商品を比較する前に、まず次の3つを書き出してみてください。
- その投資に毎週何時間使えるか
- 投資する資金をいつまで使わなくてよいか
- 管理や精神的負担を含めて長く続けられるか
利回りや成功例を見る前に、自分の条件を整理することで、選択肢を絞りやすくなります。
まとめ|自分に合う投資は、働き方とともに変わってよい
自分に合う投資は、性格だけで決まるものではありません。
自己資金、本業の忙しさ、家族の状況、経験によっても変わります。
一度始めた投資を売却したり、合わない方法から撤退したりすることは、必ずしも失敗ではありません。
大切なのは、他人より大きな利益を出すことではなく、自分が無理なく続けられる方法で資産を積み上げることです。
資産形成は、投資そのものに時間や健康を奪われるために行うものではありません。
将来、当直を続けるか、勤務日数を減らすか、仕事をどの程度続けるかを自分で選べる状態をつくるための手段です。
その目的を忘れず、自分の状況に合わせて判断基準を更新していけばよいのだと思います。


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