前の記事では、私が最初から一棟アパートを買ったのではなく、トランクルーム投資から始めた理由を書きました。
当時の私にとって、トランクルームは無理なく始められる、ちょうどよい規模の投資でした。実際、約5年間運用し、最終的には利益を残して売却することができました。
それなら、そのままトランクルームを買い増していけばよかったのではないか。今振り返ると、それも一つの選択肢だったと思います。
しかし私は、トランクルームを売却し、一棟アパート投資へ進むことを選びました。
理由は、トランクルームが悪い投資だったからではありません。
5年間の間に、私自身の経済的な状況が変わり、自分に合う投資も変わってきたからです。
毎月数字を記録すると、自分の現在地が見えてきた
私は投資を始めた頃から、毎月の収支や資産の状況を記録していました。途中からは資産管理アプリも使うようになり、資産の推移をグラフで見るようになりました。
最初の頃は緩やかだった資産の増え方が、収入が増え、投資の利益も積み重なるにつれて、少しずつ変わっていきました。
グラフの上昇する角度が、以前より明らかに大きくなってきたのです。
数字を見ながら、
「以前とは、自分の経済規模が変わってきたな」
と感じるようになりました。
以前、一棟アパートを検討した際には、不動産会社から「もう少し年収と自己資金が増えてから」という趣旨のことを言われていました。
毎月の数字を見ていると、その頃とは明らかに状況が変わっています。
そこで、
「そろそろ一棟アパートに手が届くのではないか」
と考え、再び情報収集を始めました。
トランクルームを買い増さなかった理由
トランクルームは毎月黒字になっていましたし、買い増すことも考えていました。
それでも一棟アパートを選んだのは、当時の私が増やしたかったのが、毎月のキャッシュフローと手元に残る現金だったからです。
トランクルームから得られるキャッシュフローは、私の場合は毎月数万円程度でした。
決して悪くありません。
ただ、自分の収入や資産が増えてくるにつれて、同じ規模のトランクルームを一つずつ買い増していく方法では、手元に残るキャッシュフローを増やすには少し効率が悪いように感じ始めました。
一方、一棟アパートでは銀行から融資を受けられる可能性があります。
もちろん、借入をすればリスクも大きくなります。
それでも、自分の資金だけで投資するより大きな資産を持つことができ、そこから家賃収入を得ることができます。
さらに私の場合、本業からの所得が増えていたため、不動産の減価償却によって税負担のタイミングを調整し、手元現金を厚くできる点にも魅力を感じました。
減価償却については、別の記事でも詳しく書いています。
単純に「利回りが高い投資をしたい」と考えたわけではありません。
自分が増やしたいものに対して、どの投資がより適しているか。
そう考えた結果、一棟アパートへ資金を集中する方が、自分には合っていると判断しました。
小さな投資を経験したから、大きな借入に進めた
ただ、最初から一棟アパートを買えばよかったとは思いません。
トランクルームを始めたとき、私はまとまった自己資金を初めて投資へ回しました。
最初は利用者がいなかったため赤字でしたが、想定していた範囲だったので、毎月数字を確認しながら経過を見ることができました。
利用者が一人決まっただけで、妻と一緒に声を上げて喜んだこともあります。
その後、利用者が増え、収益が安定してくると、一つの契約や解約で一喜一憂することも少なくなりました。
良い意味で、「オーナー」として数字を見る感覚が身についたのだと思います。
売却するときにも、最初は高い価格をつけて買い手が現れず、改めて利回りを計算して価格を決め直しました。
買い手側にも一定の収益が残り、自分としても納得できる価格を考えました。
購入し、運営し、最後は売却する。
この一連の経験を、小さな規模で経験できたことは大きかったと思います。
もし何の投資経験もない状態で、いきなり大きな借入をすることになっていたら、怖くなって直前でやめていたかもしれません。
投資規模を大きくするとき、最も重視するもの
では、いつ投資規模を大きくすればよいのでしょうか。
私は、まず手元資金だと考えています。
投資には必ずリスクがあります。
そのため、私は投資した後にも一定の現金を残し、仮に投資した資金を失うようなことがあっても、生活そのものが破綻しないことを重視しています。
具体的な金額は人によって違うでしょう。
大切なのは、
「ここより下の現金には手をつけない」
という自分なりのラインを決めておくことだと思います。
そして手元資金を作るためには、投資だけではなく、まず本業でしっかり稼ぐことも重要です。
私自身、資産形成を振り返ると、投資の技術だけで資産を増やしたわけではありません。
仕事から得た収入を残し、それを次の投資へ回す。
この繰り返しが非常に大きかったと思います。
「最も効率がよい投資」が、自分に最適とは限らない
現在の私は、キャッシュフローや手元現金に加えて、もう一つ意識していることがあります。
それは、労働への依存度を少しずつ下げることです。
できるだけ早く、
「働かなければ生活できない」
という状態から離れたいと考えています。
だから現在は、自分が耐えられるリスクの範囲で、以前より規模の大きな投資も選択肢に入れるようになりました。
しかし、これは今の私に合っている方法です。
投資を始めた頃の私に、同じ方法が合っていたとは思いません。
経済規模が小さいときには、小さいときに合う投資があります。
収入や資産、経験が増えれば、それまでの投資に固執せず、別の方法へ移ってもよい。
逆に、いくら効率がよく見えても、自分が怖くて耐えられない投資を無理に選ぶ必要もありません。
投資の最適解は、一つではありません。
自分の現在地を数字で把握し、自分が負えるリスクを考え、その時点の自分に合った方法を選ぶ。
私にとっては、トランクルームから一棟アパートへ進んだことも、その延長線上にあったのだと思います。
もし次の投資を考えるなら、まずは「今、自分にはどれくらいの手元資金があり、それが毎年どのくらい増えているのか」を数字で確認するところから始めてもよいのかもしれません。


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