「あといくら資産があれば、仕事を減らしても大丈夫だろう」
セミリタイアを考え始めると、どうしても資産額に目が向きます。5,000万円あればよいのか、1億円必要なのか、と。
私自身も資産形成を続けていますが、セミリタイアを考えるうえで、資産額そのものより重視しているものがあります。それが、
「今の生活費のうち、給与以外の収入でどこまで賄えているか」
という視点です。
私は「リタイア」そのものには、あまり興味がありません。私にとって働くことは生きることの一部で、仮に医師の仕事から離れても、何らかの形では働き続けると思います。
一方で、
「医師として働かなければ生活できない状態」からは、できるだけ早く卒業したい。
これは以前から考えてきたことです。
小さなキャッシュフローから見え始めた
このことを強く意識し始めたのは、トランクルームの経営を始め、わずかながら定期的な収入が入るようになった頃です。
「この収入が増えて、いつか生活費を超えたらかなり楽になるのではないか」
当時はお小遣い程度の金額だったので、かなり遠い未来の話に思えました。
その後、1棟目のアパートを購入し、家賃から手残りが入るようになると、その考えが少しずつ現実味を帯びてきました。
最初から「何歳でセミリタイアする」と綿密に設計していたわけではありません。投資を続ける中で、少しずつ働き方の選択肢が見えてきた、という方が実態に近いと思います。
最初に見るのは「毎月いくら必要か」
働き方を考えるうえで、私がまず確認するのは資産額ではなく、1か月の生活にトータルでいくら必要なのかです。
以前は毎月Excelで手作業で記録していましたが、現在はマネーフォワードで収支を把握しています。
確認するのは、毎月の生活費、貯蓄額、給与以外の収入、税金を含めた実際の手残りです。
そして時々、
「今の生活の何割が医師給与に依存しているのか」
を計算します。
不動産を買い増すと家賃の手残りは階段状に増えるので、そのたびに給与への依存度が下がります。目標に近づいたことが数字で分かると、自分の現在地も見えやすくなります。
資産額より「毎月入ってくる額」
投資を続ける中で、思っていた以上に重要だと感じるようになったのが、毎月の手残りです。
もちろん資産額も重要です。ただ、勤務を減らすという観点では、
「いくら持っているか」より「毎月いくら入ってくるか」
の方が、私には直接的に感じられます。
資産が大きくても、毎年そこから生活費を取り崩すのであれば、私は減っていくことが気になってしまうと思います。
一方で、給与以外の収入が生活費を上回れば、「働かなければ生活できない」状態から大きく離れられます。
完全に賄えていなくても、例えば生活費の半分を給与以外の収入で賄えているなら、残り半分を給与で稼げばよいことになります。週5勤務から週2〜3勤務に減らし、必要なら時々アルバイトを追加するという選択肢も出てきます。
セミリタイアは0か100かではありません。
給与への依存度が下がるほど、働き方の自由度が上がる。
私はそう考えています。
一番難しいのは「現金余力」
一方で、今でもよく考えるのが現金余力です。
現金を多く持てば安心ですが、その分だけ投資に回せる金額は減ります。反対に、投資に回し過ぎれば、突発的な修繕、空室、税金などへの余力が小さくなります。
つまり、どこまでアクセルを踏み、どこからブレーキを効かせるか。このバランスが難しいのです。
私は最低限確保する現金のラインは決めていますが、それ以上をどこまで持つかは今でも状況に応じて考えています。物件数、年齢、家族の状況によっても適切な水準は変わるからです。
勤務を減らす前に確認したい3つのこと
もし私自身が週5勤務から週2〜3勤務へ減らすなら、少なくとも3つ確認します。
1つ目は、給与以外の収入の手残りが生活費を上回っているか。
2つ目は、突発的な修繕や税金に耐えられるだけの現金余力があるか。
3つ目は、勤務を減らしてまで、他にやりたいことがあるか。
私にとって医師の仕事は収入源であるだけでなく、生活の張り合いでもあります。そのため、経済的に勤務を減らせるからといって、必ずしもすぐに減らすとは限りません。
私の場合であれば、取り組んでいる事業がどこまで育っているかも重要な判断材料になります。
人によっては、家族との時間、趣味、学び、新しい仕事かもしれません。
セミリタイアは、単に仕事を減らすことではなく、空いた時間を何に使いたいのかまで含めて考えるものだと思います。
まずは「現在地」を見える化する
これからセミリタイアを考えるなら、最初にやることはシンプルです。
毎月いくら入ってきて、いくら出ていくのかを把握する。
次に、今の生活の何割を給与に依存しているのかを確認する。
そして、給与以外の収入をどう増やすかを考える。
私が目指しているのは、資産額を増やすことだけではありません。
「働かなければ生活できない」状態から、「働き方を自分で選べる」状態へ移行することです。
その移行がどこまで進んだかは、「生活費の何割を給与以外の収入で賄えているか」を見れば、少しずつ分かってきます。
私自身も、まだその途中です。


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