勤務医が当直を減らす判断基準 週末の日当直をやめるまでに考えたこと

当直を減らす判断。夜の勤務と休日を対比した医師のイラスト

「当直を減らしたい。でも、収入が減るのは不安だ」

そう感じていても、減らした後の家計をどう考えればよいのか、分かりにくいことがあると思います。

私は、外勤先での週末の日当直を月2回から月1回に減らし、その後すべて終了しました。減る収入を別の収入で埋めることだけでなく、その収入を何に使っていたか、必要な支出がどう変わったかを考えたうえでの判断でした。

この記事では、当直収入と家計全体、取り戻す時間をどう考えたかを振り返ります。

教育費を支えるために週末の日当直を続けていた

週末の日当直を始めたのは、研究をしていた頃、本業の給与が高くなかったためです。当時は子どもたちの教育費も必要で、日当直の収入をそこに充てていました。年間の手取り額は、必要な学費とおおむね同じくらいでした。

「子どもたちが就職するまでは続ける」というのが、当時の私にとって分かりやすい区切りでした。

その後、研究から臨床に戻り、本業の給与が増えた段階で、日当直を月2回から月1回に減らしました。さらに、子どもたちが就職したタイミングで、週末の日当直をすべて終了しました。

月2回から月1回にしたときは、本業の収入の変化がありました。最後の月1回をやめたときは、日当直収入を充てていた教育費が必要なくなっていました。減らす判断の背景は、それぞれ少し違います。

実際の仕事が少なくても週末全体は拘束される

私が続けていた日当直は、仕事の内容だけを見れば、比較的負担の軽いものでした。空き時間に考えごとができる良さもありました。

それでも、週末全体が拘束されることに変わりはありません。夜に眠れたとしても、自宅とは睡眠環境が違い、当直明けには疲れが残りました。何も起きていない時間も、いつ呼ばれるか分からないため、完全な自由時間ではありません。

当直の負担を考えるときは、実際に働いた時間だけでなく、拘束される時間と、その後に休息が必要な時間も含めて見る必要があると思います。

減る収入だけでなく家計全体の変化を見る

当直収入がなくなっても生活を維持できるかは、確認する必要があります。ただ、減る収入と同じ金額を、必ず別の収入で補わなければならないわけではありません。

私の場合は、教育費が必要なくなったことに加え、本業の手取りが以前より増え、不動産からの収入も入るようになっていました。月1回の日当直収入が家計全体に占める割合は、以前より小さくなっていたのです。

これは私の場合の事情です。不動産収入がなければ当直をやめられない、ということではありません。これからも必要な支出と、すでに終わった支出を分け、当直を減らした後の収入で家計が成り立つかを見ることが大切だと思います。

支出を見直す場合も、一律に削る必要はありません。残したい支出と変更できる支出を分けて考えます。住宅費・保険・教育費などを整理する順番は、「勤務を減らす前の固定費見直し」にまとめています。

今から判断するなら年間の収支を整理する

ここからは、当時の手順をそのまま紹介するのではなく、今の私ならどのように確認するか、という整理です。まず過去1年間の収支を見て、当直を減らした後の一年間を考えます。

1.当直を減らした後の手取り収入を見積もる

当直代の額面だけで判断せず、税金や社会保険料の変化も含め、手元に残る金額を確認します。

2.これからの一年間に必要な支出をまとめる

毎月の生活費に、教育費や年払いの費用、予定している大きな支出を含めます。すでに生活費に入れた費用を、もう一度加えないようにします。今後なくなる支出と、新たに必要になる支出も分けておきます。

3.残るお金で必要な備えができるかを考える

変更後の年間手取りから、年間の支出を引きます。その残りで、確保したい貯蓄や投資に回すお金、予定外の出費への余裕を持てるかを確認します。

生活防衛資金と、毎年の家計が成り立つかは分けて考えます。日々の赤字を貯金から補う見通しなら、当直を減らす時期や回数、支出をもう一度見直したいところです。

一度にやめず回数を減らす方法もある

今から複数の当直を見直すなら、私は拘束時間、移動時間、睡眠への影響、翌日に残る疲れを比べます。そのうえで、負担の大きい勤務から減らせないか考えます。

勤務先との調整が可能なら、まず回数を減らし、家計と体調の変化を確かめる方法もあります。私が月2回から月1回にした直接の背景は本業の給与の変化でしたが、これから考える方は、ご自身の支出や勤務条件に合わせて判断すればよいと思います。

収入と週末の時間を比べて選んだ

私の場合、減る収入は把握していて、家計に大きな問題はありませんでした。週末の時間を取り戻すことの優先順位が高くなり、時間と収入を比べて、やめる選択をしました。

今は週末に自分の時間を確保し、人生設計を考えたり、仕事以外のことを試したりできています。週末に仕事から離れることで、週明けには気持ちを切り替えて勤務を始められるようになりました。

当直を減らせる時期は、人によって違います。まずは、その収入が家計の中で担っている役割を確かめる。そのうえで、収入と時間のどちらを今の自分が優先したいかを考えることが、判断の出発点になるのではないでしょうか。

当直に限らず勤務日数や勤務先も見直したい方は、「勤務医が転職・非常勤を考えるときの判断基準」に、現職での調整も含めて比較する順番をまとめています。

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