50代勤務医の資産配分 現金 投資信託 不動産を目的別に分ける

資産配分は目的と使う時期から。現金・投資信託・不動産の役割を整理するはかせのイラスト

資産配分を考えるとき、「現金は何%残せばよいのか」と迷うことがあります。私も投資信託と不動産の両方に取り組んできましたが、同じ50代の勤務医でも、働き方や家族の予定によって必要なお金は違います。

まずは、生活を守るお金、近いうちに使うお金、長く運用するお金、収入を得るために使うお金に分ける。そのうえで、現金・投資信託・不動産の役割を考えるのが、無理の少ない順序だと思います。

1 配分比率を決める前に使う時期を並べる

金融庁の「資産形成の基本」でも、生活設計に合わせて貯蓄と投資を使い分け、安全性・収益性・流動性を確認する考え方が紹介されています。流動性とは、必要なときに換金できるかという視点です。

私は、残高の大小だけでなく、そのお金で何を守りたいかを先に整理したいと思います。退職や勤務日数の変更、住まい、家族の支出など、時期が近づく予定を書き出すと、投資に回せる範囲も見えやすくなります。

目的別の整理例

目的 候補となる置き場所 確認すること
日々の生活と急な支出 すぐ使える預金 収入が減っても支払いを続けられるか
近い将来の確定した支出 支払時期に使える預金など 満期や引出条件が予定に合うか
当面使わない長期資金 投資信託など 値下がりしても保有を続けられるか
賃貸収入を得るための資金 不動産と運営用の現金 空室や修繕が重なっても維持できるか

この表は分類の例です。四つをすべて持つ必要はありません。不動産を持たない選択も含め、自分の目的に必要なものを組み合わせます。

2 現金は生活用と不動産運営用を分ける

同じ預金口座に入っていても、生活費、税金、予定した支出、不動産の修繕資金は役割が違います。合計残高を見て「まだ投資できる」と判断すると、使い道の決まったお金まで回してしまうおそれがあります。

特に不動産を持つ場合、家計の備えと物件の備えを重ねて数えないことが大切です。家計が苦しいときに修繕が必要になる可能性もあります。口座を分けなくても、一覧表の中では別枠にしておくと確認しやすくなります。

現金を残す額の考え方は、「50代勤務医は現金をいくら残すべきか」で整理しています。まず必要な金額を積み上げ、その結果として現金比率を見る。その順番でよいのではないでしょうか。

3 投資信託は使うまで待てるお金で考える

投資信託は換金できる商品でも、値下がりした時期に売れば損失が出ることがあります。「売れること」と「必要額を確保できること」は別に確認する必要があります。換金から入金までの日数も商品ごとに確かめておきたい点です。

私は以前、旧つみたてNISAで保有していた投資信託を売り、不動産投資の自己資金に充てました。一方、iDeCoは継続しました。この経験から、同じ投資信託でも、使う可能性のある時期を考えて置き場所を選ぶ大切さを感じています。

NISAやiDeCoは資産の種類ではなく制度です。配分表では、中身の投資信託と制度名を二重に足さないようにします。iDeCoは原則として60歳以降の受給年齢まで引き出せないため、現在使える現金には含めません。受給開始年齢は加入期間などによって異なります。

ここでのNISA売却は旧制度での私の経験です。現行制度の利用判断とは分けて読んで頂ければと思います。詳しい経緯は「NISAは売却、iDeCoは残った」で紹介しています。

4 不動産は評価額と手元に残るお金を分ける

不動産は賃貸収入を得る手段になりますが、売りたいときに希望価格ですぐ売れるとは限りません。家賃が入っていても、返済や経費、税金、修繕への備えを差し引けば、自由に使える金額は小さくなります。

借入のある物件では、物件価格だけを投資信託や預金と並べると、資産全体を大きく見誤ることがあります。物件の評価額、借入残高、その差額を分けて記録します。差額も売却費用や税金を引く前の目安であり、すぐ使える現金ではありません。

私が不動産購入を考える際にも、購入後に不測の修繕へ対応できる現金が残るかを重視しました。資産の種類が増えても、借入や一つの物件への集中によるリスクまで消えるわけではありません。

5 配分表に目的と換金条件を書き添える

最初は紙一枚で十分です。預金、投資信託、不動産を並べ、それぞれに「目的」「使う予定」「今使えるか」「値下がりや追加支出」を書き添えてみます。不動産の借入は別欄に記載し、現金の用途も分けます。

そのうえで、勤務収入が減った場合に、生活用の現金でどこまで支えられるかを確認します。年齢だけで配分を決めず、働き方と支出予定を一緒に見ることが大切だと思います。

私は相場の天井を当てることより、大きな無理をしないことを大切にしています。比率を整えるために急いで売買する前に、予定した支出のお金が確保されているかを確認したいところです。

まとめ 目的が決まると配分を考えやすくなる

50代の資産配分に、誰にでも合う比率はないと思います。現金は暮らしと予定を守るために、投資信託は当面使わないお金の運用に、不動産は運営の負担やリスクも引き受けて収入を得るために。それぞれに役割があります。

まずは手元の資産を、目的と使う時期で一度並べてみてください。投資方法そのものの違いを確認したい方は、「勤務医はインデックス投資と不動産投資、どちらを選ぶべきか」も参考になると思います。

制度の確認先は、国民年金基金連合会の「iDeCo公式 よくあるご質問」です。

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