勤務医のお金の管理方法|毎月確認したい4つの数字

週末の日当直を始めた頃、私は初めて自分の家計に関心を持つようになりました。

それまでは本業に集中し、家計の管理は妻に任せきりでした。生活に困っていたわけではありません。ただ、当直も含めて働くようになると、ふと疑問が浮かびました。

これだけ働いて、実際には毎月いくら残っているのだろう。

給与の額は分かっていても、そのうちいくらを使い、いくらが資産として残ったのかは、すぐには答えられませんでした。

勤務医のお金の管理で大切なのは、すべての支出を細かく記録することではありません。

資産形成と将来の働き方に関係する数字を、毎月同じ基準で確認し続けることだと思います。

年収が分かっていても、お金を管理できているとは限らない

勤務医は、比較的安定した収入を得やすい職業です。

給与明細を見れば月々の収入は分かります。生活費やカードの支払いに問題がなければ、家計に大きな不安を感じることも少ないかもしれません。

しかし、収入を把握していることと、お金の流れを把握していることは同じではありません。

本当に確認したいのは、働いて得た収入のうち、最終的にいくらが手元に残ったかです。

家計を配偶者に任せること自体は悪いことではありません。得意な方が担当した方が、家庭全体としてうまく回ることもあります。

ただ、当直を減らせるか、勤務日数を調整できるか、資産形成にいくら回せるかを考えるには、自分自身も家計の全体像を知っておく必要があります。

「家計を任せること」と「家計を把握しないこと」は、分けて考えた方がよいと思います。

毎月確認したい数字① 手取り収入

最初に確認したいのは、その月に実際に入ってきた手取り収入です。

額面の年収だけでは、資産形成に使える金額は分かりません。

勤務医の場合、基本給のほかに当直料や外勤収入、賞与などがあり、月によって収入が変わることもあります。

大切なのは、税金や社会保険料を差し引く前の額面ではなく、実際に口座へ入ってきた金額です。

複数の勤務先から給与を受け取っている場合は、すべてを合算すると、その月に実際に使える金額が分かりやすくなります。

毎月確認したい数字② 総支出

次に確認するのは、その月の総支出です。

ここで大切なのは、支出を細かく分類しすぎないことです。

食費、日用品、光熱費などを一円単位で分析しようとすると、家計管理そのものが負担になってしまいます。

まずは銀行口座やクレジットカードから出ていった金額を合計し、その月にどれだけ使ったのかを大まかにつかめれば十分です。

住宅費や教育費のように毎月あまり変わらない支出もあれば、引っ越しや旅行、車や家電の買い替えなどで支出が増える月もあります。

一か月ごとの数字だけで一喜一憂せず、数か月から一年程度の流れで見ることが大切です。

毎月確認したい数字③ 手元に残った金額

私が現在、最も重視しているのは、その月に手元へいくら残ったかです。

計算方法は単純です。

手取り収入から総支出を差し引きます。

収入が高くても、支出も同じように増えていれば、資産形成に回せるお金は残りません。

反対に、収入がそれほど増えなくても、支出が安定していれば、一定額を残し続けることができます。

私は2017年頃から、毎月の収支をExcelに入力するようになりました。

給与や住宅費、カードの利用額などを一覧にし、その月にいくら残ったかを手作業で計算していました。

この作業を続ける中で、収入が多いことと、実際にお金が残ることは別だと実感しました。

当直を増やした月も、見るべきなのは給与がいくら増えたかだけではありません。

働く時間を増やした結果、最終的に資産がどれだけ増えたのかを見る必要があります。

毎月確認したい数字④ 現金・金融資産の残高

毎月の収支に加えて、現金や金融資産の残高も確認します。

預金、投資信託、iDeCoなどを合計し、前月からどのように変化したかを見ます。

ただし、投資商品の価格は日々変動します。

相場が下がった月に資産額が減っていても、家計管理が悪かったとは限りません。

そのため、相場の値動きによる増減と、自分が新しく積み立てた金額は、できる範囲で分けて考えると分かりやすくなります。

目的は、毎月の運用成績を競うことではありません。

資産形成が長期的に前へ進んでいるかを、同じ基準で確認することです。

住宅ローンや不動産融資がある場合は、毎月の家計管理とは別に、年に一度ほど資産と負債の全体像を整理しておくと、家計の状態をより把握しやすくなります。

細かな家計簿より、続けられる仕組みをつくる

私は2017年から2024年まで、Excelを使って手作業で収支や資産の増減を管理していました。

この期間は、お金について学ぶうえでとても役立ちました。

自分で数字を入力することで、収入、支出、資産がどのようにつながっているのかを理解できるようになったからです。

一方で、毎月すべてを入力し、集計するのは正直なところ負担でもありました。

現在は、銀行口座、クレジットカード、不動産会社からの入金、iDeCoなどをマネーフォワードで一元管理しています。

買い物は基本的にクレジットカードを使い、妻にも家族カードを利用してもらっています。そのため、家計の支出が自動的にアプリへ反映されます。

資産の推移もグラフで確認できるため、以前より手間をかけずに全体像を把握できるようになりました。

Excelが合う人もいれば、家計簿アプリが合う人もいます。

大切なのは、最も精密な方法を選ぶことではありません。

忙しい勤務医でも、毎月無理なく確認を続けられる仕組みをつくることです。

今日確認するのは、まず3つでよい

最初から詳しい家計簿を作る必要はありません。

まずは先月分について、次の3つを確認してみてください。

  • 手取り収入の合計
  • 支出の合計
  • 収入から支出を差し引いて残った金額

余裕があれば、現在の預金や投資資産の残高も書き出します。

一度確認するだけでも、自分がどの程度のペースで資産形成を進められそうか、その輪郭が見えてくると思います。

お金の管理は、働き方を選ぶために行う

毎月の数字を確認する目的は、支出を細かく監視することでも、他人より大きな資産を持つことでもありません。

毎月いくら残り、資産がどのように変化しているかが分かれば、将来の働き方を数字で考えられるようになります。

当直をあと何年続ける必要があるのか。

勤務日数を減らしても生活していけるのか。

収入を減らしても、資産形成を続けられるのか。

こうした判断は、年収という一つの数字だけを見ていてもできません。

資産形成は、仕事を辞めることだけを目的にするものではないと思っています。

健康と時間を守りながら、当直を続けるか、勤務日数を減らすかを自分で選べる状態をつくる。

その判断の土台として、まずは毎月のお金の流れを見えるようにしておきたいと思います。

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