Xを開くと、自分よりずっと若い人が、すでにまとまった資産を築いている投稿が目に入ることがあります。
YouTubeの不動産投資チャンネルを見ていても、「50代になると融資期間が短くなる」「物件を増やしにくくなる」といった話がよく出てきます。
そうした情報に触れるたびに、正直なところ、
「もう資産形成を始めるには遅いのではないか」
と感じていました。
当直や勤務日数を減らせないまま、このまま残りの人生が過ぎていくのではないか。忙しさに追われる日々の中で、ふとそんな不安がよぎることもありました。
老後の生活だけでなく、この先の働き方そのものについての不安です。
50代から資産形成を始めるのは、本当に遅いのでしょうか。
若い世代より不利な部分は、確かにある
最初にお伝えしておきたいのは、資産形成は若い頃に始めた方が有利だということです。
運用期間が長いほど、複利を使える時間は長くなります。途中で投資に失敗しても、立て直す時間を取りやすいでしょう。
不動産投資では、年齢が融資期間に直接影響することもあります。
ですから、「50代から始めても、20代や30代とまったく同じ条件です」とは言えません。
私が資産形成を意識し始めたのは、46歳の頃でした。
当時から一棟不動産投資には興味があり、不動産会社をいくつか回りましたが、手応えはよくありませんでした。
今思えば、金融機関から見た信用力も自己資金も、当時の私には十分ではなかったのだと思います。
遅いかどうかは、年齢だけでは決まらない
その後、投資や資産形成について学んでいくうちに、年齢だけを見て諦める必要はないと考えるようになりました。
50代には、運用できる時間の短さという不利があります。
一方で、若い頃には持っていなかった条件が、いつの間にか整っていることもあるからです。
私が46歳で最初に始めたのは、一棟不動産ではなくトランクルーム投資でした。
翌年には積立NISAとiDeCoを始め、その後は短期トレードも経験しました。48歳の頃から開始をして、最終的に50歳でやめています。
最初から、自分に合う方法が分かっていたわけではありません。
いくつか試し、続けるものとやめるものを、少しずつ分けてきただけです。
46歳の時点で一棟不動産が難しかったからといって、何も始めなかったわけではない。そのことが、後の資産形成につながったのだと思います。
ただし、焦って高い利回りを求めたり、大きな損失を短期間で取り戻そうとしたりするのは避けたいところです。
50代は、失敗を取り戻す時間が若い頃より短いからです。
投資に回せる金額も、信用力も、今が一番高いことがある
複利を使える期間は、若い人より確実に短くなっています。
しかし、投資に回せる金額は、若い頃よりむしろ増えています。
勤務医をはじめとした高所得専門職では、若い頃は研修や資格取得、仕事や家庭に追われ、資産形成まで十分に手が回らなかったという人も多いのではないでしょうか。
40代、50代になって勤務先や役割が固まり、ようやく本業の所得が安定してくる人も少なくないはずです。
運用期間だけを比べれば若い人が有利です。しかし、1年間に投資できる金額まで含めると、状況は一人ひとり違ってきます。
信用力についても同じことが言えます。
不動産投資では、年齢だけでなく、所得、勤務先、勤続年数、保有現金、既存の借入状況などが確認されます。
私自身、金融機関から見た信用力は、人生の中で今が最も高いと感じています。
46歳の頃には手応えを得られなかった一棟不動産投資も、トランクルームや積立投資を続けながら、本業の所得と自己資金を積み上げ、51歳で改めて相談したときには、以前よりずっと具体的な話ができるようになっていました。
そして52歳で初めて一棟アパートを取得し、54歳で2棟目を取得しています。
もちろん、50代であること自体が融資に有利という意味ではありません。
ただ、若い頃より所得や現金、勤務実績が積み上がり、評価される材料が増えていることはあります。
「もう借りられない」と年齢だけで決めつける前に、今の自分の信用力を確認してみる価値はあります。
一方で、借りられることと、無理なく返済できることは別の話です。
目標資産額より、変えたい働き方から逆算する
50代から資産形成を考えるとき、若い人と同じ資産額を目標にする必要はありません。
大事なのは、資産形成によって自分の何を変えたいのか、ということです。
当直を月に1回減らしたい。週5日勤務を週4日にしたい。60歳以降は非常勤に移りたい。仕事を続けるかどうかを、自分で決められるようにしたい。
同じ勤務医でも、目指す働き方は人それぞれです。
だからこそ、必要な資産額も一律ではなく、自分の希望から逆算して考える必要があります。
私も以前は、漠然と「金持ちになりたい」と思っていました。
しかし今は、資産額そのものよりも、投資から得られるキャッシュフローを増やし、働き方を自分で選べる状態をつくることを重視しています。
仕事への依存度を下げ、選択肢を増やす方向には、少しずつ進んでいる実感があります。
大切なのは、他人の年齢ではなく自分の現在地
資産形成は、若い方が有利です。もっと早く始めていれば、と思うこともあります。
一方で、若い頃の私は資産形成にほとんど関心がなく、今ほどの所得も入金力も信用力も持っていませんでした。
過去には戻れません。
だから今は、不利な条件も受け入れたうえで、できるところまで進むしかないと考えています。
資産形成の基本的な順番としては、まず本業の収入基盤を整えることが大切だと、私は考えています。
単に労働時間を増やすという意味ではありません。専門性や勤務条件を見直し、安定した所得と投資に回せる余力をつくるということです。
その入金力で株式やインデックス投資を積み上げ、本業で得た信用力を使って不動産投資を検討する。
私の場合、その条件が整ったのが、ちょうど50歳前後でした。
ただし、これは「50歳まで待つべき」という意味ではありません。収入や現金、知識が整っていれば、30代や40代から始めても構いません。
大切なのは、他人の年齢ではなく、自分の現在地に合う順番を考えることです。
投資商品を探す前に、まず次の4つを書き出してみてください。
- 現在の金融資産と現金
- 1年間で投資に回せる金額
- あと何年、今の所得を維持できそうか
- 将来減らしたい労働収入はいくらか
この4つが分かれば、年齢ではなく、自分の現在地から資産形成を考えられるようになります。
まとめ|50代の資産形成は、残された時間を選ぶためにある
50代は、資産形成を始めるのに最も有利な年代ではありません。
一方で、自分の人生の中では、今が最も所得や信用力の高い時期だという人も少なくないはずです。
若い投資家に追いつくことや、他人より大きな資産を持つことが目的ではありません。
資産形成は、当直を続けるか、勤務日数を減らすか、仕事を続けるかを、自分で選べる状態をつくるための手段です。
始めるのが遅かったかどうかよりも、今ある条件を使って、これからの健康、時間、働き方をどこまで守れるか。
50代からは、その視点で資産形成を考えてもよいのではないでしょうか。


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