勤務を減らす前の固定費見直し|住宅費・保険・教育費をどう整理するか

勤務を減らす前に、住宅費・保険・教育費と残したい支出を整理する固定費見直しのイラスト

「当直を減らしたい。でも、今の生活を続けられるだろうか」

働き方を変えたいと思っても、毎月の支払いが気になると、なかなか決断できません。勤務を減らす前の固定費見直しでは、安い契約を探すより先に、減った手取りでも維持したい支出と、変更できる支出を分けておくことが大切だと思います。

私自身、生命保険の保障を見直す一方で、収入が増えても住まいの支出を増やさない選択をしてきました。食事や教育、自己投資にはお金を使いながら、固定費を抑えることはできると思っています。

この記事では、家計の数字を把握した後に、どの支出を、いつ、どう変えるかを考えます。

1 今の収入よりも減勤後の手取りで考える

最初に置きたいのは、勤務を減らした後の手取り収入の見込みです。現在の年収だけで「このくらいの支出なら大丈夫」と考えると、当直や非常勤を減らしたときの余裕を見誤ることがあります。

例えば、手取りが月5万円減る予定で、固定費を月1万円減らせたとします。それだけでは月4万円の差が残ります。これは説明のための架空の例ですが、削減できた金額と、減収を受け止められるかは、分けて確認する必要があります。

家計の現状がまだ曖昧な場合は、先に「勤務医のお金の管理方法|毎月確認したい4つの数字」で整理しておくと、見直す対象が決めやすくなります。

2 毎月の契約と年払いを分けて並べる

支出は、毎月続く契約、日々変わる支出、年払い・臨時の支出に分けて見ます。日本貸金業協会の家計管理教材でも、固定費・流動費・特別出費を分けて把握する方法が示されています。

年払いの保険料や税金も、減勤後の家計から支払います。年額を12で割って月々の必要額に含め、実際に支払う月も確認します。

見直し候補には、今と変更後の年間支払額、変更にかかる費用、変更できる時期を添えます。

3 変更しやすい契約から確かめる

通信費やサブスクリプションは、まず利用実態と契約内容を見ます。使っていない契約、使い方に対して大きすぎるプラン、似た機能の重複があれば、見直しの候補になります。

ただし、月額が下がるだけで決めると、仕事に必要な機能が使えなくなったり、家族の手間が増えたりすることもあります。解約費用、端末代の残り、割引が終わった後の料金まで確認したいところです。

例えば月1万円の削減なら、1年間続けて12万円です。ただ、変更に3万円かかれば、初年度の差は9万円になります。こちらも説明のための架空の計算です。毎月の差額だけでなく、費用を差し引いて考えます。

4 住宅費と教育費は変更の時期も考える

住宅費は金額が大きい一方、すぐには変えにくい支出です。引っ越しには初期費用や通勤への影響があります。住宅ローンも、毎月の返済額だけを見て借り換えや繰上返済を決めるのではなく、諸費用、残りの期間、変更後に手元に残る現金まで確かめる必要があります。

私が研究から臨床に戻って給与が大きく増えたときには、賃貸マンションの住み替えを考えました。少しグレードを上げてもよいかと思ったのですが、固定費の増加が資産形成の妨げになると考え、生活水準を上げないことにしました。家賃を下げたのではなく、増やさなかった経験です。

教育費も、毎月の授業料だけでは判断できません。入学や進学など、支出の時期が変わるものを確認し、家族が何を大切にしたいのかを先に話しておきます。

5 保険は保険料だけで判断しない

私の場合は、アパート融資に伴う団体信用生命保険への加入を機に、既存の生命保険の死亡保障を外しました。その結果、保険料は半額程度になりました。ただし、これは当時の私の契約と家族への備えを踏まえた判断です。団信に入れば生命保険が不要になる、ということではありません。

見直すときは、死亡、病気やけが、働けなくなることなど、備えたい事態ごとに、公的保障、勤務先の制度、手元の資金、加入中の保険を並べます。

同じ事態への保障が重複していないか。一方で、勤務形態を変えた後に不足が生じないか。保険料の比較は、その後でよいと思います。

解約や乗り換えを検討する場合には、保障が途切れる期間や、新しい契約の条件も確認します。分からない点は保険会社や勤務先の担当窓口に確かめ、条件が整理できるまでは、減らせる支出として計算に入れない方が慎重です。

6 残す支出を決めて変更後の家計で試す

最後に、残す支出と見直す支出を決め、減勤後の手取りの見込みと並べます。可能なら勤務を変える前に、その金額の範囲で生活してみると、計算上は見えなかった無理も分かります。ただし、数か月の試行だけで、年払いの支出まで確認できたことにはなりません。

私が残したい支出は、まず食費です。食事は健康の源だと考えています。教育費も、子どもたちが就職するまで、希望する教育関連の費用を負担してきました。また、お金や株式トレードを学ぶコミュニティ、AI関連の課金など、自己投資にもあまり出し惜しみをしていません。

何を残すかは家庭によって違います。金額を減らすことだけを目的にせず、大切にしたい支出を決めることも、見直しの一部だと思います。

まずは一つの契約について、年間でいくら変わるか、いつ変更できるか、困ることはないかを書き出してみてください。守りたい暮らしに必要な金額が見えてくると、勤務の減らし方も具体的に考えられるようになります。

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