医師の不動産融資で確認すること|審査・返済期間・自己資金の比較

医師の不動産融資。金利だけでなく返済期間と手元に残す現金を考えるイラスト

不動産の融資条件を見るとき、まず金利と借入額に目が向くと思います。私も、初めて物件の収支を確認したときは、不動産会社の物件概要書と金融機関の融資条件を並べ、計算するところから始めました。

私が購入した2棟の融資先は、どちらも不動産会社からの紹介でした。最初は物件価格の全額を借りるフルローンを希望していましたが、希望どおりにはならず、がっかりしたことを覚えています。

希望する額と提示される条件は違うことがある。事前にその心構えがあれば、もう少し落ち着いて受け止められたと思います。

この記事では、物件そのものの投資判断とは分けて、銀行相談の準備と、提示された融資条件を比較するときの確認事項をまとめます。

1.審査の前に本人と物件の情報をそろえる

医師という職業だけで、希望どおりの融資を受けられるとは限りません。相談する商品で、本人や物件が対象に入るかを先に確認します。年齢、収入、対象エリア、物件の種類などに条件が設けられている例があります。

資料は、次の三つに分けると整理しやすいと思います。

・本人の情報:本人確認書類、源泉徴収票、確定申告書など
・物件の情報:物件概要書、登記情報、間取り、賃貸状況など
・既存の借入:住宅ローンやほかの借入の残高、返済予定表など

これは相談準備のための整理です。すべてが一律の必須書類という意味ではありません。必要な年度、原本か写しか、追加資料の有無は、相談先に確認します。

金融機関の必要書類一覧にも、収入、物件、既存ローンの資料が示されています。審査の事情を推測するより、求められた情報を正確に出し、不明点を質問することが大切です。

2.融資条件を同じ項目で比較する

金利以外で私が最も重視したのは、必要な自己資金と、購入後に残す現金のバランスでした。金利だけを抜き出すと、この違いが見えにくくなります。

複数の条件を比べる場合は、次の項目をそろえます。

・借入額と、購入時に必要な自己資金
・適用金利、固定か変動か、金利の見直し方法
・返済期間、返済方式、毎月と年間の返済額
・事務手数料、保証料、登記などの費用
・団体信用生命保険の加入条件、保障、金利上乗せの有無
・一部返済と全額返済それぞれの手数料や手続き

自己資金は、物件価格から借入額を引いた金額だけでは足りないことがあります。諸費用のうち融資に含まれるものと、現金で払うものを分けてもらいます。

同じ金融機関でも、手数料と金利の組み合わせが異なる商品プランがあります。見かけの金利が低くても、借入時の費用を含めた負担が小さいとは限りません。

比較するときは、物件価格、借入額、返済期間などの前提をそろえます。そろえられない場合は、何が違うのかを書き残します。毎月の返済が少ない理由が、金利なのか、期間なのか、自己資金の多さなのかを分けて見るためです。

3.返済期間は働き方と合わせて考える

私は融資期間が長いことも重視しました。50歳を超えてからの購入でしたが、2棟とも長期の融資を受けることができました。ただし、これは私のケースで、同じ年齢なら同じ条件になるという意味ではありません。

私が長期融資を選んだ一番の理由は、毎月の返済を抑え、手元にキャッシュフローを残したかったからです。最初から、それを積み重ねて経済的な自由を得たいと考えていました。

ただ、当時は医師の勤務を減らすことまでは、あまり考えていませんでした。物件の収入から返済を賄いながら、キャッシュフローを積み上げていく。その方針で不動産投資を始め、現在も同じ考えで続けています。

同じ借入額、金利、返済方式なら、返済期間を長くすると毎月の負担は小さくなります。一方、同じ金利が続く前提では、完済までの利息の合計は増えます。

期間を短くすれば早く返せますが、その分、保有中の現金に余裕がなくなる可能性があります。長いほうがよい、短いほうが安心と、一つに決めるのは難しいと思います。

勤務を減らしたい時期があるなら、その時点の残債と返済額が分かる返済予定表を確認します。完済時の年齢だけでなく、給与が減る時期にどれだけ返済が残るかを見るためです。

将来の繰上返済を考える場合も、実行できるだけの現金があるとは限りません。まずは繰上返済をしない条件で続けられるかを確認し、手数料や申込期限を聞いておくのがよいと思います。

金利が変わったときの返済額の扱いも、個別の契約を確認します。住宅ローンで聞く「5年ルール」「125%ルール」が、投資用の借入にもあるとは限りません。

4.自己資金は支払い後の余力まで確認する

自己資金を増やすと、借入額を減らせます。ただ、そのために手元の現金が薄くなると、空室や修繕への備えも減ります。

私が1棟目で迷ったのも、自己資金を入れること自体より、購入後の生活と物件運営を続けられるかという点でした。条件が出た後も、納得するまで計算を続けました。

融資相談では、用意できる自己資金に加えて、支払い後にも残したい現金を自分の中で決めておきます。提示された条件でその余力を守れない場合は、借入額や購入計画を見直す必要があります。

家計用と物件用の現金、購入後の手残りまで含めた確認項目は、「勤務医が不動産投資を始める前に確認すべき数字」にまとめています。

5.契約前に三つの質問をする

条件がそろったら、最後に次の三つを確認します。

①この条件はいつまで有効か。融資実行時までに金利や必要な自己資金が変わる可能性はあるか。
②契約時と融資実行時に、現金でいくら必要か。見積もりに含まれていない費用はあるか。
③金利変更や売却、繰上返済の際、返済額と費用はどう変わるか。

相談時の説明と契約書、商品説明書の内容が一致しているかも確認します。分からない項目を空欄のままにせず、担当者に聞いて記録しておくと、後から振り返れます。

融資は、物件を持ち続けるための長い約束になります。私は、自分の働き方と手元資金につなげて、条件を考えたいと思います。

まずは手元の融資条件を一枚に書き出し、分からない項目を次の相談で聞く。それだけでも、判断しやすくなるのではないでしょうか。

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