「週5勤務を週4にしたい」「将来は週3勤務にしたい」
勤務医を続けていると、こう考えることがあると思います。
私自身も、給与以外の収入が少しずつ増えてきたことで、勤務日数を減らすことも現実的な選択肢として考えられるようになりました。
ただし、現在はまだ週5勤務を続けています。
「勤務日数を減らせるかどうか」と「今、減らすべきかどうか」は別の問題だと考えているからです。
今回は、私が勤務日数を減らすことを考える際に、どのような順番で条件を確認しているのかを書いてみます。
まず確認したのは、自分が1年間でいくら使っているか
勤務を減らすとき、最も気になるのは収入だと思います。しかし、その前に把握しておかなければならないのが生活費です。毎月いくらあれば生活できるのかが分からなければ、給与をどこまで減らせるのかも判断できません。
私は資産形成を始めた頃、毎月の収入と支出をかなり細かく記録していました。日常の支払いはできるだけクレジットカードに集約し、利用明細でその月の支出をまとめて確認する。給与収入だけでなく給与以外の収入も記録し、株価なども見ながら資産額を定期的に計算する。
この作業を数年間続けたことが、振り返ってみると私のマネーリテラシーを大きく高めてくれたと思います。
現在は家計管理サービスに連携しているため手作業の集計は不要ですが、「自分は1年間でいくら使っているのか」は今でも重要な基準です。
非給与収入は、1か月ではなく1年で見る
次に確認するのが、給与以外の収入です。
私の場合、現在は不動産からの家賃収入があります。ただし、毎月家賃が入ってくるからといって、その金額をそのまま生活費に使えるわけではありません。
賃貸経営では突然の退去が発生することがあり、原状回復工事の費用が想定以上に大きくなったり、設備の故障や修繕など予定外の支出が発生したりします。
そのため、「今月はいくら家賃が入ったか」だけでは実際に使えるお金は判断できません。
給与以外の収入については、少なくとも1年間の手残りを見る方が安全だと考えています。1年間の家賃収入から、その年に発生した修繕費や諸経費を差し引き、実際にどれだけ残ったのか。生活費についても同じように1年間の総額で確認します。
自分の現在地は「生活費に対する比率」で見る
このとき、私なら次のように考えます。
年間の非給与収入の手残り ÷ 年間生活費
私は便宜的に、「生活費の何%を給与以外の収入で賄えているか」と考えています。
この比率を見ると、自分が給与にどの程度依存しているのかが分かりやすくなります。
20%なら生活費の5分の1、50%なら半分、100%なら計算上は年間生活費全体を非給与収入で賄えている状態です。
もちろん、100%になったからすぐ勤務をやめられるわけではありません。不動産収入には変動がありますし、修繕費や空室のリスクもあります。
それでも、この比率を毎年確認しておけば、「自分がどこまで給与への依存を減らせているか」は見えやすくなります。
「生活できる」と「今、勤務を減らすべき」は別
仮に勤務日数を減らして年間の手取り給与が減ったとしても、その減少分を安定した非給与収入で補えるのであれば、家計上は勤務を減らせる可能性があります。
ただし、私はそれだけでは勤務を減らさないつもりです。
理由は、銀行からの信用です。
私は現在、不動産の規模をもう少し拡大したいと考えています。不動産融資では、給与収入や勤務状況なども審査材料の一つになります。
勤務日数を減らして給与収入が下がれば、融資条件に影響する可能性があります。
つまり、「今の非給与収入でも生活できるかもしれない」ことと、「今、給与所得を減らすことが資産形成上合理的か」は別の話です。
融資を使って資産規模を拡大できる期間は、できるだけ医師としての信用力を維持する方針です。
ただし、規模拡大を続けるだけでは終わらない
ここには一つ注意点があります。
「まだ規模を拡大したいから勤務を減らさない」と考え続ければ、いつまでも勤務を減らせなくなる可能性があります。不動産をもう1棟、もう1棟と増やそうと思えば、終わりはありません。
だからこそ、どこかで「これ以上は融資を使って規模を拡大しなくてもよい」という到達点を、自分で決めておく必要があると考えています。
大事なのは規模の最大化ではなく、給与に依存しなくても生活できる状態をつくり、働き方を選べるようにすることです。
生活費を非給与収入で十分に賄えるようになり、さらに銀行からの信用を維持する必要性も小さくなった段階であれば、勤務日数を減らす選択は今よりずっとしやすくなると思います。
勤務を減らす前に整理しておきたいこと
私が今ゼロから勤務日数を減らす条件を考えるなら、まず年間生活費を把握し、次に給与以外から得られる年間の平均手残りを確認します。
そのうえで、「非給与収入が生活費の何%を賄えているのか」を見て、最後に、勤務を減らすことで資産形成や信用力にどのような影響が出るのかまで考えます。
家計だけを見れば勤務を減らせる状態でも、今後の資産形成まで考えると、あえて勤務を維持した方が合理的な時期もあります。
逆に、非給与収入が十分に育ち、今後それほど融資を必要としなくなれば、給与収入に依存する必要性は大きく下がります。
目標は「勤務を減らすこと」ではなく「選べること」
勤務日数を減らすこと自体を、目標にする必要はないと思っています。
私が目指しているのは、「医師として働かなければ生活できない状態」から、「医師として働くかどうかを自分で決められる状態」へ移ることです。
そのためには、給与が十分にある時期に生活費を把握し、給与以外の収入を育て、資産形成を進めておく必要があります。
勤務を減らす判断は、その準備が整ってからでも遅くありません。
まずは一度、自分の年間生活費と、給与以外から得られる年間の手残りを並べてみる。
それだけでも、自分が今どの位置にいるのかはかなり見えやすくなると思います。
働きたい範囲で働く。一時的に勤務を減らす。必要であれば、また増やす。
そうした選択ができる状態を作ることが、私にとっての資産形成の一つの目的です。


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