60歳で開業するつもりだった私が、今は働き方を決めていない理由|50代勤務医の資産形成

60歳の働き方を今は決めず、複数の道を残すことを表すイラスト

50代になると、60歳以降の働き方が少しずつ現実的な問題になってきます。

このまま常勤を続けるのか。非常勤に移るのか。それとも開業するのか。

私自身、以前は漠然と「60歳になったら開業しよう」と考えていました。しかし現在は、開業という形にはこだわっていません。

考えが定まらなくなったのではありません。今の段階で一つに決めるよりも、60歳になったときに複数の選択肢から選べる状態を作る方が大切だと考えるようになったからです。

研究職を続けた先に感じた不安

私が60歳以降の働き方を意識するようになったのは、研究を辞めるかどうか検討していた時期です。

研究職を続けていても、いずれ定年を迎えます。そのあとも研究者として働き続けられる保証はありません。

65歳になってから医師へ戻ることも不可能ではありませんが、簡単ではないだろうと思いました。私にとって、年齢とともに仕事の選択肢が狭くなることは大きな不安でした。

そこで、50歳で研究職から臨床医へ戻りました。転職を決めた背景には、なるべく長く働き続けられる仕事に戻りたいという思いがありました。

医師であれば、健康である限り比較的長く働けます。このことは、50代以降の人生を考えるうえで大きな強みだと思います。

開業だけが長く働く方法ではなかった

臨床医へ戻った当初は、勤務先の定年に左右されずに働けるよう、60歳になったら開業しようと考えていました。

しかし、実際に臨床の現場へ戻ってみると、必ずしも開業にこだわる必要はないと分かりました。私が勤務するクリニックにも、80歳を超えて非常勤で働いている先生がいました。

開業には、自分の裁量で仕事を作れる良さがあります。一方で、初期投資や固定費が必要になり、経営上の責任も負います。

非常勤であれば、そうした負担を抱えず、勤務日数を調整しながら医師を続けられます。資産形成が十分に進んでいなければ、常勤を続ける選択もあります。

現在は、開業、非常勤、常勤のどれかを今から決めるのではなく、そのときの状況に応じて選べればよいと考えています。

それでも開業を選ぶとしたら

開業については今も時々考えますが、具体的な内容はまだ固まっていません。現在と同じような訪問診療クリニックを考えることもあれば、自分が提供したい予防医療を組み合わせた開業を考えることもあります。

通常の訪問診療クリニックであれば、老後に自分が診療を担い続けるには負担が重くなると思っています。その形を選ぶのであれば、経営を中心に関われるところまで持っていく必要があると考えています。

予防医療を組み合わせるのであれば、固定費を抑えた小さなクリニックから始めることになると思います。

いずれの形でも、私が開業を選ぶのであれば、資産形成がすでに完了していることが前提です。そのうえで、自分が長く社会に貢献できる場所を作っていく。それが、私にとっての開業になるのだと思います。

選択肢を増やすために不動産投資を選んだ

将来の選択肢を増やすため、50代の間はできるところまで資産形成を進めたいと思っています。その中心に選んだのが不動産投資です。

理由の一つは、現在の収入構造との相性です。

一定の条件を満たせば、不動産所得の赤字を給与所得と損益通算できる仕組みがあります。医師としての給与所得が比較的高い私にとって、損益通算によるその年の税負担への影響は小さくないと考えました。

株式や投資信託も有力な資産形成の方法です。ただ、現在の給与所得を生かすという点では、私には不動産の方が合っていると判断しました。

もちろん、税金が単純に消えるわけではありません。減価償却した建物を売却する際には、その影響も含めて税金を考える必要があります。税務上の扱いも、物件や保有状況によって変わります。

税負担だけを見るのではなく、家賃収入、借入金の返済、維持費、将来の売却まで含めて判断することが必要です。

家賃の手残りから勤務日数を考える

不動産を選んだもう一つの理由は、家賃が毎月入金されることです。私にとっては給与に近い感覚があり、一定の安心感があります。

株式や投資信託の場合、資産額が大きくなっても、生活費として取り崩す段階で不安を感じるような気がします。これは投資方法の優劣ではなく、私自身の性格との相性です。

将来の勤務日数を考えるときには、家賃収入そのものではなく、ローン返済、管理費、修繕費、税金などを差し引いた実際の手残りと生活費を比較します。

不足する金額を医師の給与でどの程度補えばよいかが分かれば、週に何日働く必要があるのかも判断しやすくなります。

私にとって重要なのは、資産総額を大きく見せることではありません。毎月の手残りによって、給与への依存度をどこまで下げられるかです。

最も警戒しているのは資金ショート

不動産投資には、空室、修繕、金利上昇など、さまざまなリスクがあります。

物件選びや資金計画によって軽減できる部分はありますが、リスクを完全になくすことはできません。

その中で、私が最も警戒しているのは、手元資金が不足することです。

帳簿上は資産を持っていても、大規模修繕や空室、予想外の支出が重なったときに現金がなければ、経営を続けられなくなる可能性があります。

そのため、物件数を増やすこと自体を目標にはしていません。手元資金を確保したうえで、次の投資をしても耐えられるかを確認しながら、規模を拡大するかどうかを判断しています。

目標は、医師を辞めることではなく、働き方を選べること

私が「60歳までの準備ができた」と考えるのは、生活のために週5日の常勤を続けなくてもよくなり、医師として働く日数を自分で選べる状態です。

60歳以降は、医師として週2〜3日勤務し、残りの時間は、このブログやSNSを通じた情報発信を事業として育てることや、これまでとは違う分野での活動に使いたいと考えています。

医師を辞めたいわけではありません。医師の仕事を続けながら、それ以外の活動にも時間を使える状態が理想です。

ただし、資産形成や情報発信が想定ほど進んでいなければ、医師として働く日数を増やすつもりです。必要であれば、常勤を続けたり、新たな常勤先を探したりする可能性もあります。

私にとって、お金は仕事を辞めるためのものではありません。働く日数や仕事の形を、自分で選べるようにするためのものです。

60歳までに完璧な計画を作ることよりも、60歳になった自分に複数の選択肢を残しておく。

そのために、手元資金を守りながら資産形成を続け、医師以外の活動も少しずつ育てていきたいと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました